少年たち 危機一髪
2016年9月4日~28日、日生劇場にて「少年たち 危機一髪」という舞台が行われました。
「少年たち」はフォーリーブスから始まり、近年では2010年~2012年までA.B.C-ZやKis-My-Ft2、関西ジャニーズJrによって行われてきた、ジャニーズの中でも伝統ある舞台です。
2015年には関西では関西ジャニーズJr、関東ではSixTONES・SnowManによって「少年たち 世界の夢が…戦争を知らない子供達」が行われました。
そして今年、関西は「Another」でしたが、関東では引き続き「少年たち 危機一髪」として再演されました。
これまでの「少年たち」は様々な理由で刑務所に入った少年たちが脱獄するストーリーでしたが、今年の「少年たち 危機一髪」では大きく変わっています。歴代の「少年たち」を見てきた方は驚くと思います。だって脱獄しないし。
私はえびきす・えび関西の公演をDVDで、昨年の関東での公演を舞台で見ただけですが、これまでの「少年たち」という作品が好きです。
それでも今年の「少年たち 危機一髪」を見て、感銘を受けました。現段階で好きな「少年たち」ランキング1位です。異論は認める。それなのに映像化しないなんて!
これから舞台の記憶が抜け落ちていくのが怖くて、話の一部始終をまとめました。メモを取らずに見ていたので、抜けているところも多いですし、完全に自分用のメモです。
今回は出来る限り主観を除いて事実だけを書いたので、見た方は話を思い出すのに、見ていない方は話を知るのに使っていただけたら幸いです。
髙地くん・マリウスくん不在の回にも入ったので、ストーリーに大きな変更のある個所はかっこでメモ程度に書いてあります。
登場人物
囚人・オレンジチーム(SixTONES)
ジェシー:音楽が好き。
京本:孤児院出身の新入り。
北斗:優しい少年。
慎太郎:暴走族の頭だった。
樹:バーを開くのが夢。
髙地:樹とニコイチ。
囚人・緑チーム(SnowMan)
岩本:ジェシーとは友人だったが、今は絶縁状態。
深澤:誰かを守るために刑務所に入ることになった。
渡辺:人の命を殺めた。
宮舘:喧嘩っ早い。
佐久間:アニオタ。
阿部:頭が切れすぎた。
看守長
あおい輝彦:声の出演
マリウス:ジェシーと戦場で出逢う。
HiHi Jet:ローラーを履いたアイドル。
第1幕
第1景 オープニング
「みなさんこんにちは、あおい輝彦です。僕は初代ジャニーズとして青春を過ごしました」とあおい輝彦さんのナレーション。
「少年たち」と映し出されている緞帳が左右に開いていく。
♪時の彼方~Fight~Night In New York
(初日は大階段に12人が並んでいた)
岩本1人で出てきてバク転を決める。その後SnowMan、SixTONESの順で登場。2組の争いのダンスが始まる。
佐久間が叫ぶ。
合間で京本1人での場を和ますようなダンスや、戦場を思わすような赤照明で激しい音楽のところなど、ストーリーを象徴している箇所あり。
最初は私服風のモノクロベースの衣装で、途中SnowMan→SixTONESの順で囚人服に変わる。
そして2組のケンカが始まる。
台詞があったけど忘れた。
第2景 刑務所の少年たち
笛の音でケンカは中断。
看守長が登場する(シルエットで映し出されている)
看守長「お前ら何をしている!」
少年たちはおちゃらけながら口々に反抗する。
ジェシー「(英語/ケンカじゃないよ、トレーニングしてるだけです~)」
深澤「ケンカが駄目なことくらい、この馬鹿でも分かりますから」
北斗「そーそーこのアホでも知ってますから」(深澤北斗でいがみ合い)
佐久間「そんな古臭い制服なんてやめて、もっと可愛いメイド服にしましょうよ~!萌え~!」
髙地「そんなに怒ったら血圧上がりますよ」
樹「血圧上がって体調崩したら、商売も上がったり~」
髙地「上手いね~」
阿部「シャバに出たらここの実態を暴露してやる!」
渡辺「その時になって後悔してもしらねーぞ」
看守長「だまれ。(少年たちビクリ)次にやったら全員懲罰房に送るぞ」
少年たち「上等じゃねーか!」
♪俺たちは上等
歌いだしは北斗。ジェシーパートは英語。
最後は11人集まってポーズ。
すぐに「フンッ」と顔をそむけて全員退場。
緑チームに突っかかる慎太郎に、
北斗「看守長にどやされんぞ」
第3景 それぞれの事情
日記を持った京本が現れる。
京本「6月10日、刑務所にやってきた。ここでも1人なんだろうな」
下手から現れるジェシー。
ジェシー「Hello. I’m Jesse.」
京本「俺は京本!京都の京に本屋さんの本!……分かるかな?」
ジェシー「日本語、ちょっとだけ」
ジェシー「京本はどうしてここに来た?」
京本「小さい頃に親に捨てられて孤児院で暮らしていたんだ。けどそこで親の悪口を言われてついカッとなって殴った。親の顔も見たことがないのに」
♪僕に聞くのかい?
階段上に上がって歌う京本。
それを見て慌てて腕で×を作って止めるようアピールするジェシー。
それでも京本は気づかずジェシーはがっくりする。
下手から楽しそうに入ってきた慎太郎はそのまま京本のところまで上がり、京本のおなかにパンチを入れる。
続いて段飛ばしで階段を上ってきた北斗が京本を上から押し、どかす。
そこにやってくる樹と髙地。
北斗は2人とハイタッチしたあと階段を下りていく。
北斗と慎太郎は下で音楽に合わせて踊る。
歌が中断したところで、また階段を上っていく京本に、
樹・髙地「あー!ここは俺らの縄張りなんだよ」
京本「そうなんですね!ここにいてもいいですか?」
樹・髙地「だめー!」
そのあと樹・髙地は階段上で遊んでいる。
慎太郎「おいおいおいどうだった俺のパンチ!」
京本「ゴリラかと思いました!」
慎太郎「これでも俺は族の頭はってたんだぜ」
後ろで見ていた北斗が笑いながら近寄ってきて、
北斗「いちいち自慢すんなよ。お前のチーム、6人だけだろ?」
慎太郎「6000人だぜ」
ジェシー「こいつは京本。京都の京で京本、OK?」
頷く北斗・慎太郎。
歌の続きが始まり、6人で歌う。
歌終了後、
慎太郎「ジェシー、本当に音楽好きだね」
京本「俺も音楽は好きだ!孤児院でずっと歌ってた!」
ジェシー「Oh! I love music too!
ジェシー「……昔、一緒に音楽をやってた仲間がいた」
京本「?」
後ろで見ていた北斗が察して割り込んでくる。
北斗「まーまーまーまー!お前音楽好きだろ?いや俺たちも音楽好きなんだよね。だから、俺たちって音楽仲間じゃね?なぁ樹!」
樹「えっ?まぁそれでいいけど」
と樹・髙地が階段を下りてくる。
樹「じゃな仲間になった証に俺と髙地の昔話してやるよ!」
あからさまに嫌そうな顔をするジェシーと北斗。
きょとんとしている京本。
樹「俺たちはなぁ、ある人のためにバーテンダーを目指してるんだよ!」
と話をする2人を放って、
慎太郎「あーもうメシの時間だ!食いながら聞けばいいじゃん」
と4人階段裏へ捌ける。
(慎太郎「今日のメニューは○○!」とアドリブネタが入る)
「あれは月の綺麗な夜だった…」「あっ!いない!」「待って~!」
と樹・髙地も同じ導線で捌ける。
(話の流れは大体一緒だけど樹・髙地の台詞割りやリアクションは毎回異なる)
(髙地不在時は樹1人で全てこなす。話に変更はなし。以下同様)
暗転
上手袖から岩本が登場。
岩本「ある日俺が大事にしていた絆が音を立てて崩れ去った。同じ夢を見ていたあいつが裏切った。俺は地獄に突き落とされた」
ドラムの演奏を始める岩本。
下手から佐久間(ベース)登場。
佐久間「俺の事なんて誰も分かっちゃくれねぇ。だから分からせようとしてナイフで人を刺した」
台詞後、岩本のドラムに合わせて演奏を始める。(下記楽器メンバーも同様)
上手階段上から阿部(ギター)登場。
阿部「人に理解されないのなんて当たり前だ。俺は頭が切れすぎた。周りがついて来れなかったんだ」
下手裏から深澤(キーボード)登場。
深澤「あいつを助けたかっただけなのに、でも何をやっても上手くいかない。俺はそういう星のもとに生まれちまったんだろうな」
1扉から宮舘、4扉から渡辺入場。それぞれ通路交差点で、
宮舘「親になった奴はまともなのか?お前はまともなのかよ」
渡辺「俺はまともだからここに来たそう思ってる」
看守長「ここはまともじゃないやつが来るところだ」
看守長「お前たちは何をしてここに来たんだ」
渡辺「俺は人の命を殺めた」
宮舘「怒りにまかせて警官のヤローをぶん殴った」
看守長「岩本、お前は一体何をしたんだ」
ドラムを力いっぱい叩いた後、
岩本「お前らには関係ねーだろ!」
♪嗚呼思春期
岩本・深澤・佐久間・阿部は上記楽器の演奏、渡辺・宮舘はパフォーマンス。
風を浴びている。
「心の中には嵐が吹き荒れていく」
「失った時間は取り戻せやしない」
「俺の思いが分かってたまるか!」
深澤「一度狂い始めた歯車はもう止まらない」
阿部「風なんて感じない」
宮舘「塀の中で初めて味わった屈辱……力があれば一等賞取れるんじゃねーのかよ!むなしいよ……この拳の痛みはなんなんだ!」
佐久間「大空の彼方へ!」
渡辺「俺たちの叫び、聞こえてんのか!」
(ところどころしか台詞を覚えてない)
間髪入れずに
♪HEART BREAK CLUB
アクロバットがたくさん。
曲最後の方で下手袖から京本が出てきて、緑チームの演奏を見ている。
曲終了後、佐久間・宮舘・渡辺・阿部は京本前を通る。
佐久間「あ~すっきりした~。ん?新入りか?」
京本「お前たちも音楽好きなのか!」
宮舘・渡辺「関係ない」
阿部「邪魔だよ、どけ」
京本「こわっ」
第4景 回想
京本「よっこい○○(アドリブ)」
下手舞台前の階段に腰をかけ、日記を書く京本。
1扉からバケツとモップを持って掃除中のジェシーがやってくる。
京本「手伝おうか?」
ジェシー「いや、俺の担当だから」
京本「そっか」
また日記を書きだす京本。
京本のところまでたどり着くジェシー。
ジェシー「……それは?」
京本「日記を書いてるんだ。あー、Diary?」
ジェシー「Oh, Diary.」
京本「……やっぱり手伝うよ」
ジェシー「ありがとう」
ジェシーからモップを受け取り掃除を始める京本。
京本「あのさぁジェシー、岩本と何かあった?」
京本「嫌なら言わなくてもいいけどさ」
ジェシー「いや、京本だけには知ってもらいたいんだ」
~回想~
紗幕の後ろに階段が交差するように並べてある。
岩本「よっこい○○(アドリブ)」
下手奥からジェシーが岩本を捜しながらやってくる。
ジェシー「岩本?岩本、練習サボって何してる」
岩本「何でもねーよ」
岩本「なー、俺たちって本当にメジャーに行けるのかな?」
ジェシー「諦めたらダメ。やるしかない。俺たちの夢を叶えるために」
岩本「お前ってやつは本当にポジティブだよな。最初はその性格がちょっとうざかったけど」
ジェシー「それなのに岩本いつも練習サボる。俺たちの夢叶えるんじゃないのか?」
岩本「用事があったんだよ」
ジェシー「用事?」
岩本「あー……ほら、これ」
ロザリオを差し出す岩本。
ジェシー「これは……?」
岩本「日本じゃ願い事をする時にはお守りを持つけど、お前はこの国の生まれじゃないからご利益なさそうじゃん?だから教会に行って貰ってきたんだ」
ジェシー「俺のために……ありがとう」
岩本「お前のためじゃない、俺たちの夢のためにだ」
暗転、京本のみピンスポ。
京本「へ~、仲良かったんだな。でもどうして……」
街の音。
上手奥から歩いてくるジェシーを後ろから追いかけてくる岩本。
岩本「おい、どうしたんだよこれ」
MDを出す岩本。
ジェシー「どうしてこれ」
岩本「これ、今度のコンテストのデモ音源だよな。これを弾いてるのは昔俺を裏切ったバンド仲間じゃないのか」
岩本「ジェシー俺を裏切ったのか」
ジェシー「違う!今度のコンテストは国内最大級。勝つために彼らに協力してもらって」
岩本「黙れ!お前だけは仲間だと思ってたのに」
ジェシー「違う、お前は大切な友達」
岩本「友達友達うるせぇ!」
MDを地面に投げつける岩本。
岩本「お前は俺を裏切ったやつに協力してもらった、それは事実だろ」
殴られるジェシー。
ジェシー「なんで分かってくれねぇんだよ!」
(このシーンの台詞の記憶は曖昧)
♪Rival
先に階段に上がって歌い始める岩本。
MDを拾い、階段に上がっていくジェシー。
ジェシーパートは一部英語。
それぞれが乗った階段が岩本→上手、ジェシー→下手に移動した後、中央に移動してきて低い方を合わせてドッキング。
裏からスモークとライトが当たる中2人向き合って歌う。
ジェシー「夢を叶えるために」
岩本「最初に裏切ったのはお前だろ」
曲終わり階段奥の布に捌ける岩本。
追いかけるジェシー「岩本!」
~回想終了~
京本「そんなことが……」
ジェシー「この後岩本は悪い仲間とつるむようになってここへ……」
ジェシー「俺が誤解させたせいで……だから俺もここへ」
京本「ジェシーは本当に優しいんだね」
否定的な顔のジェシー。
ジェシー「でも、あいつとの曲は優しい気持ちになれる」
第5景 対立と和解
ジェシー「京本はどんな音楽が好きなんだ?」
京本「俺か?そうだなぁ……」
♪この星のHIKARI
イントロで入ってくる北斗・慎太郎・樹・髙地。
慎太郎はジェシー、樹は京本にジャケットを渡す。
バックで星が煌めいている。
曲終わりウェーイと盛り上がるオレンジチーム。
「あんまり調子乗ってんじゃねーぞ」
後ろの大階段に緑チーム登場。
京本が止めるも殴り合いに発展。
「新入りは黙ってろ」
他はストップモーションの中、京本1人中央でピンスポ。
京本「どうして争うんだ!」
♪闇を突き抜けて
京本「どうしてケンカするんだ」と争いに意味がないことを伝えるも、
「争いに理由なんてない」
「ケンカしないと体がなまっちまう」
「体を動かしてないと頭がおかしくなっちまう」
ジェシー「京本、仕方ないんだ」
京本、何かに気づいたように、
京本「ジェシー、あの曲を歌ってくれ」
ジェシー「でも、岩本が……」
全員が岩本の方を向くも、
岩本「俺はそんな歌知らない」
ジェシーが歌いだす。
♪君にこの歌を
最初は皆関心が薄いが、徐々に引き込まれていく。
阿部「いい曲じゃないか!」
宮舘「なんか和んじまったな」
慎太郎「今日のところは休戦ってことで」
慎太郎と宮舘が拳を突き合わせる。
京本「緑もオレンジも関係ない!俺たちは仲間なんだ!」
阿部「おい皆!お風呂行こうぜ!」
慎太郎「おいおいおい!もうこんな時間だ!」
渡辺「本当だー!早く入らないと入浴時間が終わっちまう!」
駆け込むと先に入浴している岩本。後ろ向きでポーズを決めている。
11人「岩本~!」
岩本「早く入れ」
11人「は~い!」
はしゃぎながら型板ガラスの裏で服を脱ぐ11人。
並びは宮舘・慎太郎・深澤・北斗・ジェシー・京本・佐久間・阿部・樹・髙地・渡辺・岩本。
岩本「まずは右手・左手・右隣の人の背中・左隣の人のお尻~(変わることもある)」
掛け声に合わせて洗いあう面々。
入浴で和む中、
深澤「実はさ、みんなに隠してたことがあるんだ」
深澤「実は俺たち、兄弟なんだ」
北斗「兄ちゃん!」
深澤「弟よ~!」
腕を力強く組む深澤・北斗。
10人「え~~~!!!」
深澤「いや、だって2つの房が争ってるから言えなかったんだよね」
北斗「だから殴り合ってるとき、俺たちだけ殴り合う振りしてたんだよね」
「お前らもう隠し事するなよ~」「ごめんごめん!」というくだりの中、
岩本「他にも隠し事してるやついるよな」
と指名された人が隠し事を発表していく日替わりネタ。
(最後は樹の隠し子or各仕事ネタで落とすことが多かった)
宮舘「みんな隠し事くらいあるよな、1つずつ言っていこうぜ」
と全員が1つずつ隠し事を言っていく日替わりネタ。
京本「みんなこれから隠し事は~」
全員「なし~!」
♪桶ダンス
岩本不在。
「安心してください!」で〆。
岩本「お前ら安心してる場合じゃないぞ。とっくに入浴時間は終わってる。早くしろ」
着替え終わった岩本が上手から出てくる。
裏の幕の裏に入って11人早着替え。
その間岩本が1人話している。
半分ほど着替え終わらないまま出てくる深澤と話している間に全員が揃う。
渡辺「気持ち良かった~」
突如看守長に殴られる渡辺。(パントマイム)
「何するんだよ!」
看守長「お前たちこそ何をしている。とっくに入浴時間は終わっている」
看守長「全員懲罰房行きだ!…と言いたいところだが、あいにく懲罰房の数が足りない」
「ダサッ」笑う少年たち。
看守長「その代わり全員、一週間飯抜きだ!」
12人「え~~~~!?」
京本「大丈夫か?」
渡辺「(殴られたのは)大丈夫、それより飯抜きの方がやばい!今日カレーだったんだぜ!」
11人「えー!?」
慎太郎「俺○○(アドリブ)めっちゃ好きなのに!」
深澤「あのー聞いてました?」
「2人はほっといていこうぜ」
ナレーション「空腹に苦しみながらも、彼らの心はあの歌で満たされていた」
少年たちの夢
♪僕に聞くのかい?
- 樹・髙地 上手
樹「俺たちはバーを開くのが夢なんだ」
樹「ただのバーじゃないぜ、パフォーマンスするんだ」
髙地「見てろよ、ここには牛乳瓶しかないけどな」
髙地牛乳瓶を使ったパフォーマンスをするも失敗。
樹「京本、よく見とけよ」
樹も失敗。座り込む樹に、
京本「ドンマイ(他のパターンもあり)」
肩を落とす2人。
- 阿部・佐久間・渡辺 中央階段上
「今日は月1のテレビの日」
「でも面白いのが全然やってない!」
佐久間「アニメとかたくさんやればいいのに」
渡辺「俺は歌が聴きたい」
阿部立ち上がって、
阿部「俺、テレビの力ってスゲーと思うんだ!1人じゃできない事でも、たくさんの人に伝えられる!」
渡辺「じゃあ、アニメのアイドルが歌いながらニュースを伝える番組ってのはどうだ?」
2人「いいね!」
佐久間「あっ!流れ星!アニメのアイドルが歌いながらニュースを伝える番組が作れますように×3!」
京本「叶うといいね」
グーサインを交わす4人。
- 慎太郎・宮舘 下手
ご飯の乗った机に向かって、2人並んで座っている。
慎太郎「俺、ここ出たらダンスしようと思ってるんだよね」
宮舘「いいねぇ」
慎太郎「お前もやるか」
宮舘「おう!そしたらリーダー決めなきゃな」
慎太郎「あぁ?リーダーは俺だろ!」
宮舘「いーや俺だろ!」
慎太郎「じゃあ、早食いで勝負だ!」
宮舘「でも俺野菜嫌いだからお前にやるよ」
慎太郎「じゃあ俺パン(別の時もあり)嫌いだからやるよ!」
一触即発な2人。
京本「まぁまぁ」
慎太郎・宮舘「じゃあお前は何が嫌いなんだ」
京本「俺は……牛乳」
2人、椅子の上に乗りながら、
慎太郎・宮舘「牛乳は背が伸びるから飲め!」
京本「はい……」
(アドリブが多いのでダンスと牛乳のくだり以外は大きく変わる)
- 深澤・北斗 上手階段上
北斗「俺たちって本当の兄弟なのかな…」
深澤「どうしたんだよ急に」
北斗「だって目の形が違うし」
深澤「確かに…」
北斗「鼻も似てないし」
深澤「うん……」
北斗「顔の大きさが違う!(その他お風呂シーンを踏まえた日替わり)」
深澤「(上記に合わせた反応)」
北斗「やっぱり俺たち本当の兄弟じゃないんだ!」
京本「お兄さんが○○でも、心が通じ合ってればそれでいいじゃないか」
深澤・北斗「そんなん言われなくても分かってるわ!」
京本「仲いいな……」
深澤・北斗、無言のピース。
中央に立って、
京本「みんなの夢が叶うといいな」
第6景 ジェシーの徴兵
夕焼けに染まる舞台。
各々自由に登場
深澤・北斗は上手階段から降りて下手前へ。
阿部・佐久間あたりが結構遊んでいる。バレーとかちよこれいととかしてる。
「もうすぐ出所か」
京本「ここを出たらみんなとお別れか……寂しいな」
慎太郎「あー、でも宮舘との腐れ縁はこれからも続きそうだけどな」
慎太郎「俺、宮舘とダンスすることにしたんだよね」
慎太郎「ここ出るも同じだし、入るのも一緒だったから」
皆が感心していると、
佐久間「あっ看守長だ」
大人しく看守長の方を向く少年たち。
看守長「ジェシー、来い」
ジェシー「俺?」
看守長「おめでとう、出所だ」
皆驚きながらも喜ぶ。
看守長「ジェシーにはここを出たら外国に行ってもらう。ジェシーはこの国の人間じゃない。ここを出たらその国の法律に従うことになる」
阿部「法律って?」
看守長「戦況が変わった。ジェシーは強制送還され、軍隊に入ってもらう」
北斗「軍隊!?そんなのやめろよジェシー!」
深澤「そうだ、まだここにいろよ」
殴られる深澤・北斗(パントマイム)
素直に塀の外に向かうジェシー。
叫ぶ他の面々。
檻が下りてきて皆と離れ離れに。
ジェシー「俺の国には徴兵があって、これは俺の義務なんだ。皆はいいな、平和な国に生まれて」
ジェシーに向かって叫ぶ面々。
北斗「また一緒に歌おうな!」
♪君にこの歌を
ジェシー独唱から皆で合唱。
ジェシーが去る。
悲しそうに捌ける面々。
↓ ♪君にこの歌ををベースにした軍歌に変わっていく(~♪行進)
軍服を着て銃を持ったジェシーが登場。
ナレーション「強制送還されたジェシーは軍隊に入隊」「夢も希望も諦めた彼」
ジェシー「(英語/多分配属されて初日ですみたいなことだと思うけど全然自信ない)」
軍隊の上司「お前の命はお前のものだけではない」
11人が同様の衣装で出てくる。(役ではない)
阿部「整列!」
12人での兵隊ダンス。様々な曲調に合わせてマスゲーム的なダンスや銃によるパフォーマンス。
爆発に巻き込まれながら、正面を睨み付ける12人。
ナレーション「ジェシーはどうなるのか」
第1幕 終
第2幕
第7景 夢
ナレーション「歌の力を信じる少年、守れなかった約束、離れ離れの友、仲間たちと過ごした日々」「出所した少年たちのもう一つの物語が始まる」
♪Pray
華やかなステージ・衣装で歌うジェシー。
客席後方からマリウス登場。
ジェシーと同じく華やかな衣装だが悲痛な表情で祈りを捧げている。
ジェシー「Hi.」
マリウス「I’m Marius.」
ジェシー「I’m Jesse.」
マリウス、上手階段手前で後ろを向いたままコートを開く。
振り向くとコートの下には戦闘服が。
ジェシーもコートを脱ぎ、戦闘服になる。
それと同時にステージ上の装飾が消えて簡素に。星空だけが輝いている。
(マリウス不在時はジェシーが一人ぼっちであることを言うだけ)
出会い
戦場で出逢ったジェシーとマリウス。中央の階段で話す。
マリウス「(英語/君は新人?)」
ジェシー「(英語/あぁ、君は?)」
マリウス「(英語/俺は……もう1年半くらいかな)」
ジェシー「(英語/随分若いな……)」(英語に自信はない)
マリウス「若いからこんなところに飛ばされたんだよ。お偉いさんたちは安全な後方で支持を出してるだけだ」
ジェシー「お前はどうしてここへ?」
マリウス「俺は自動車を盗んで捕まっちゃった。それで刑務所に行くか、戦場に行くか聞かれて戦場を選んだ。前科者になるのはまっぴらだからね」
マリウス「君は?」
ジェシー「俺は檻の中にいた。そこには仲間がいた」
舞台に現在の11人が登場。
ジェシー「あいつらはテレビ番組を作れているかな」
下手手前でスーツを着てマイクを持っている阿部。その横にしゃがむAD渡辺とカメラマン佐久間。
上手手前でダンスをする慎太郎・宮舘。
ジェシー「仲良し兄弟はどうしてるかな」
下手奥、手で合図する深澤・北斗。
ジェシー「樹と髙地は上手くやってるかな」
上手奥でポーズを決める樹・髙地
ジェシー「そして俺の事を心配してくれる新入り」
後方階段下手側に立つ京本。
京本「ジェシー、元気にしてるかな」
ジェシー「そして仲たがいした元親友」
後方階段上手側に立つ岩本。
岩本「もうあいつとは会うことはないんだな」
マリウス「へぇ。君の友達、会ってみたいなあ」
(マリウス不在時はジェシー1人で仲間たちの事を思い出す。また軍では訓練もそこそこに配属されたようなことを言っていた)
SHOW
♪君の瞳に恋してる
ジェシーソロから始まり、マリウスと2人で歌う。
(マリウス不在時は全てジェシーソロ)
途中から阿部のタップダンスあり。
ジェシー・マリウス以外によるダンス。ラインダンスやアクロバットなどあり。
京本・岩本は不参加。
京本「ジェシーと岩本の歌を届けるのが俺の夢」
曲終了後、突然の猪狩。
瑞稀も途中から合流。
♪HiHi Jet
ローラーで歌う4人。
下手から出てくる阿部・佐久間・渡辺。
♪君の瞳に恋してるから渡辺のシャツが変わっている。
高速回転したりノリノリで手拍子する阿部。
「HiHi Jetさん」のカンペを持つ渡辺。阿部へのカンペアピールも。
しっかり働くカメラマン佐久間。
曲終了後、
阿部「ありがとうございました~!」
♪Hi-Hi-Hi
阿部「この曲はあおき輝彦さんの♪Hi-Hi-Hiですね。HiHi Jetの皆は、この曲の伝統や精神を受け継いでいるんですよね!」
瑞稀「はい、そうですね」
阿部「今日のパフォーマンスはどうでしたか、はしもっちゃん!」
橋本「最高でした!それでは皆さん、また会いましょう~」
阿部「ありがとうございました~エンディングはあちらです」
軽快な音楽とともにHiHi Jet退場。
「お疲れ様でした~撤収です」
照明が消えるスタジオ。
阿部・佐久間・渡辺も片づけに入る。
スタジオにやってくる京本。
それに気づいた佐久間が、
佐久間「久しぶりー!」
「刑務所出て振りだな!」
京本「岩本を捜してるんだ」
会話を始めようとしたところで渡辺の無線に連絡が入る。
佐久間「ちょっと待っててな!」
渡辺「阿部、プロデューサーからだ。かなりお冠だぞ」
と無線を受け取る阿部。
阿部「くそ……できないならやめちまえだってよ……」
渡辺「あいつ、俺たちが前科者だからって……」
座り込む阿部。
佐久間「気にするなよ~。ほら、無我の境地でこうスーって怒りを鎮めてさ」
渡辺「意味分かんねぇよ。飯食いに行くか?」
佐久間「そーだ!今日は京本もいるしさ!」
阿部「2人で行って来いよ……」
阿部「あのさぁ!こんなテレビ局辞めようぜ?こんなところにいても何もできないよ。もっとテレビ業界に風穴開けるようなでっかい仕事をしよう!」
♪茜空
中央階段で歌っている京本。
台詞なしで動く3人。
止める佐久間。
頑なに拒む阿部。
最初は止めていた渡辺も、途中でやめる。
歌中断。
渡辺「分かった。でも辞めるなら一人辞めてくれ」
渡辺「このチームを引っ張っていてくれたのは感謝してる。でもちょっとムカつく言われたからってはい辞めますって言えるほど、俺らもう子供じゃないんだよ」
渡辺「お前影でなんて言われてるか知ってるか?」
佐久間「おいやめろって」
渡辺「お前だって言いたいことあるだろ?」
佐久間「いや俺は……」
渡辺「こいつ、必死に頭下げて握りこぶし押さえて、阿部には才能があるから使ってやってくれって、お前のために床に頭つけてんだよ」
佐久間「俺の事はいいんだって、ほら、俺謝りなれてるからさ。ペコペコ~って」
阿部「誰が頭下げろって言ったんだよ!」
阿部「出所して死ぬほど勉強して誰もが認めるいい大学出て!俺1人なら何でもできるんだよ!」
阿部「……でも、塀の中で話したことが忘れられないんだよ」
阿部「アニメのアイドルが歌いながらニュースを伝える番組」
阿部「今思えば子供っぽいけどさ、それでも俺嬉しかったんだ。バカな夢でも同じ方向が見れる奴がいるって」
阿部「巻き込んで悪かった、俺1人で辞めるよ……すまなかった」
頭を下げる阿部。
阿部を殴る渡辺。
♪茜空
阿部・渡辺のケンカを仲裁する佐久間(台詞なし)
歌中断。
佐久間「なんか、久しぶりだね。こんなケンカしたの」
渡辺「さよならとお別れのあいさつを言うかわり~♪」
佐久間「君にこの歌を~♪」
渡辺「俺が気持ちよく歌ってる時に入ってくるな」
阿部「僕はおくりたい~♪」
渡辺「誰のせいでこんなことになったと思ってんだ」
京本「君の苦しみ~♪」
佐久間「いやお前も歌うんかい!」
4人で顔を見合わせて笑う。
佐久間「俺は阿部みたいに頭良くないからよく分からないけど、俺が下げたくって頭下げたんだからさ。気にするなよ」
渡辺「阿部はすぐ1人で抱え込むからな。何でも俺たちに相談しろよ」
阿部「俺は、ジェシーの行方が知りたい!ジェシーはまだ戦場にいると思う。毎日必死に戦ってる姿を全世界に伝えたい!」
阿部「無理かな…」
♪茜空
頭下げる渡辺。
いやいやと首を振った後、握手する阿部・渡辺。
それを見て和む佐久間。
2人が先に下手に捌ける。
それに気づいた佐久間が慌てて捌ける。
京本「ジェシー、岩本、どうしてるかな」
セットの動きに合わせて宮舘入場・京本捌け。
オーディション
紫の特攻服に身を包む宮舘。
宮舘「言っとくけどなぁ、俺はケンカは止めたんだよ」
蹴りを入れたところ、物陰から鳥が出てくる。
鳥「ピヨピヨ」
宮舘「Wow, Bird!(変わる)これはケンカじゃないからね」
と言って再度戦おうとした瞬間、エンジンの爆音と自転車のベルと共に
慎太郎「助けに来たぞ~」
と慎太郎がデコ自転車に乗って登場。
慎太郎のアドリブタイム。
慎太郎「(自転車を見せながら)カッコいいでしょ~これ俺が作ったの(ビバホームで)」
宮舘「イカしてるぜ」
鳥「ピヨピヨ」
慎太郎「何~鳥ちゃん(アドリブ)」
慎太郎「駐輪場に止めてきま~す!」
慎太郎「鍵の番号は0000!」
宮舘「案外単純なんですね」
慎太郎上手に捌けたあと、ラジカセを持って戻ってくる。
慎太郎「言っとくけどなぁ、俺らは暴走族もケンカもやめたんだ。俺らはダンスで世界とケンカするって決めたんだよ!」
ダンスタイム。
台宙など、この舞台の中でもかなりダンスに力が入っている。
途中、
宮舘「こんなダンスで世界に通用すると思ってんのか!」
宮舘「もう一度人生やり直すんじゃないのかよ」
と殴り合いになるが、再度ダンス。
ダンス終了。
慎太郎「よーし!世界で武者修行だ!行くぞ、俺のチャリでな!」
宮舘「おう!」
自転車を修理したり、鍵の番号を忘れる話題あり。
鳥さんと絡みつつ慎太郎・宮舘上手に退場。
鳥を持った深澤が出てくる。
第8景 逃走
サイレンの音、舞台から客席へ降りる深澤。
上手客席後方から息を切らしながら走り込んでくる北斗。
上手通路交差点で2人は合流。
2人は警察に追われている。
深澤「ここなら安全だ」
とステージ上に北斗を案内。
サイレンの音が遠のき、
北斗「くそ!なんで俺たちが店の金盗んだって疑われなきゃならないんだよ!」
壁を蹴る北斗。
深澤「北斗」
北斗「だって俺たち真面目に働いてたじゃん!俺たちが前科者だからって!」
北斗「俺たちの事信用する奴なんていないんだよ!俺らみたいなクズは何どこまでいったってクズなんだよ!」
北斗「だってそうだろ!俺たちなんかが夢見たってしょうがねぇんだよ!」
深澤「北斗…」
北斗「見ろよ!何やったって上手くいかねぇじゃねぇかよ……」
崩れ落ちる北斗。
深澤「そんなことない、夢を叶えた仲間だっている。諦めちゃ駄目だ」
♪約束の歌~meet you again~
深澤「北斗、こんな兄ちゃんでごめんな」
北斗「(ううんと首を振り)俺、兄ちゃんと兄弟で良かった」
北斗「なぁ兄ちゃん、俺たち、ずっと仲良し兄弟だよね」
深澤「あぁ」
♪約束の歌~meet you again~
バタフライナイフを取り出す北斗。
北斗「なぁ兄ちゃん……もう、死のうか……」
深澤「……死んで楽になれるのかな」
北斗「だってこのまま生きてたってしょうがねぇじゃん」
うなだれる2人。
ラジカセから流れてくる♪君のこの歌を。
阿部「皆さんはこの曲を知っていますか?この曲はケンカに明け暮れていた俺たちを救ってくれました。これは俺たちの仲間が作った曲なんだ。ジェシーは今も頑張って生きている。皆でこの曲を広めないか!」
深澤「あいつの歌だ」
ラジカセを抱える北斗。
北斗「俺たちの仲間の歌だ」
深澤「生きなきゃダメだな。どんなに情けない生き方でもいいから」
バタフライナイフを取り上げ自分のポケットにしまう深澤。
頷く北斗。
俯きながら両手を上げる2人。
近づくサイレン。
第9景 BAR
バーテンダーの服を着た樹・髙地が礼をする。
音楽に合わせてジャグリングパフォーマンス。
途中から樹が手拍子を煽る。
髙地「店長!大変です!もう半年もお客さんが来ません!」
樹「そうだな。開店して半年、1人もお客さんが来ない」
髙地「これ(パフォーマンス)だけ上手くなっていきますよ」
樹「このままじゃだめだ、お客さんが来た時の練習をしよう!」
バーコントスタート。
髙地:店員・樹:お客さん 以下ネタまとめ
がらんがらん・だるんだるん・ドリンクバー・隣のお客様から伝票→980円出して1000円のおつり→儲かっちゃった!・高額な請求or安い請求のパターンもあり・プラマイゼロ!・グラスで飲んでもらえますか~?何で飲んでんだよ!腕びちょびちょじゃねーか!・味噌汁
樹「こんなんじゃ駄目だ、俺が見本見せるからお前お客さんやれ」
樹:店員・髙地:お客さん 以下ネタまとめ
化粧水(ヒアルロン酸・泥パック)つけてるところすみません・ドアの設定がおかしい・寝起きドッキリ・ドア外から・神社・シャッター閉めてから来店「だから半年も客来ないんじゃねーか!」・てんちょぉ~♡
樹「こんなんじゃ駄目だ!」
ガランガランとドアの音がする。
樹「お客さんだ!いらっしゃいませ!」
礼をする2人。
下手から京本登場。
最初は普通に入ってきたが、どんどんコントネタに乗ってくるようになった。
京本「岩本を捜してるんだ」
樹「あいつは誰とも連絡取ってないしな」
髙地「まあ飲んでけよ」
グラスを差し出す。
樹「この店、いい店だろ?俺らもやっとのことでこの店開いたんだ。だから手伝えない」
樹「俺らの話聞いて行けよ」
髙地「俺らの話、刑務所じゃ話すたびにいなくなってたからな」
京本「ごめん。本当に興味がないんだ」
樹が話し始めるも聞かずに捌ける京本。追う髙地。戻ってくる2人。
京本「それで、聞かせてくれ」
樹「俺らには大切な人がいたんだ。恋人とかじゃなくて、こんなでっかい太ったおばさんなんだけどさ」
髙地「身寄りのない俺らを育ててくれた園長先生」
~回想~
樹「園長先生の誕生日だからな」
髙地「こんなの(小さめの花束)で喜んでくれるかな」
樹「大丈夫だろ」
歩みを進める樹。
樹「……園長先生!?髙地!救急車!」
髙地「過労で倒れたみたいだった。俺らは知らなかったけど、病を押してまで俺ら2人の事を育ててくれていたんだ」
樹「入院・手術に莫大な費用が掛かった」
~回想終了~
樹「寝る間も惜しんで働いて、結構金も貯まったんだぜ」
髙地「でもあと少し足らなかった……」
京本「それで罪を」
樹「あぁ……でも貯まるころには園長先生はぽっくり行っちまった」
髙地「その時貯めた金でこの店を開いたんだ」
京本「園長先生もきっと喜んでるよ」
樹「そうだといいけどな」
京本「そろそろ行くよ」
捌けようとする京本に、
樹「……髙地、今日はもう店たたむぞ」
髙地「おう!」
京本「樹!」
樹「昔つるんでた情報屋に当たってやるよ。京本、早く来ないと置いていくぞ!」
下手に走って捌ける樹・髙地。追う京本。
そこで鳴る着信音。京本は立ち止まり、
京本「……慎太郎か!久しぶり!そうか、ダンスで世界を回ってるのか。……えっジェシーが……!」
第10景 再会
舞台奥階段上、ギターを弾いている岩本
そこに現れる京本。
京本「まだ音楽やってたんだな」
岩本「……」
京本「樹と高地が助けてくれたんだ」
京本「ジェシーに会ってくれないか」
岩本「……」
京本「深澤たちがジェシーに会ったんだ。ダンスで世界を回ってる慎太郎から連絡があった。それで刑務所に入らず軍の補給部隊を選んだ深澤たちが……今ジェシーは戦場にいる」
~回想~
ジェシー・マリウスの2人で偵察へ。
ジェシー「2人で偵察なんてツイいてないな」
マリウスが正面の何かに気づき、
マリウス「伏せろ!敵の偵察兵に見つかった!くそーあのガキ!」
マリウスは銃を向け撃ち始めるも、
ジェシー「待て!あいつは俺たちよりも幼い、まだ子供じゃないか」
と、止めるジェシー。
マリウス「今ここで撃たなかったらあの子供は味方の大人に報告するだろう。そうしたら俺たちの部隊は全滅だ!」
マリウス「どけ!戦場で愛を持っていたら死ぬぞ!」
(マリウス不在時は1人で偵察に行く。偵察の少年を俺は撃てるのだろうか、と裸の少年に入る)
♪裸の少年
銃を向けられないジェシー。
最初は銃を構えるも、どんどん顔が曇っていき、最後には撃てないマリウス。
そのまま動けない2人。
突如鳴り始める警報。
マリウス「敵に包囲された!お前があの子供を殺さなかったから!」
ジェシー「早く逃げよう、この人数は無理だ」
とジェシーはマリウスを連れてこの場から離れようとするも、
マリウス「ここで俺たちが逃げたら部隊が全滅するぞ!」
と、銃を構えるマリウス。
マリウス「俺は心底後悔しているよ。どうして刑務所より戦場を選んだのかなって。ここでは優しい奴から死んでいくんだ」
マリウスが撃とうとした瞬間、響く銃声。赤く染まる舞台。
左胸を押さえるマリウス。
ジェシー「マリウス……!?」
ふら付き、倒れそうになるマリウスを支えるジェシー。
ジェシー「おい!しっかりしろ!」
左手で自身の傷を押さえるマリウスの手を上から包むジェシー。
♪裸の少年(あおい輝彦さんver)
歌詞の「あの子」がジェシーになっている。
マリウス「自動車を盗んだだけなのに、どうして?僕、帰りたいよ……」
マリウス「お前の仲間に会ってみたかったなぁ…」
力尽きるマリウス。
ジェシー「マリウス!?おい!マリウス!」
マリウスの死体を安全なところに運び、抱きしめるジェシー。
マリウスの服から勲章を取るジェシー。
ジェシー「くっそー、俺のせいで……」
唸りを上げ、獣のように銃を撃ちまくるジェシー。
(マリウス不在時は偵察を撃たないことで味方の部隊が包囲され、ジェシーが撃たれる。そして部隊は全滅。目の前にはさっきまで一緒にいた仲間の首が転がっていた。俺が見逃したから……「俺が死ねばよかったのに」勲章は元々ポケットに入れていた)
上手から深澤・北斗がやってくる。
北斗「ジェシーじゃねぇか!」
深澤・北斗でジェシーを羽織締めにして確保する。
ジェシー「お前ら、どうしてここに……どけ俺は今仕事をしているんだ。見ろ、この勲章。敵をたくさん倒すと貰えるんだ」
北斗「どうしたんだよジェシー!あんなに優しかったじゃないか!」
ジェシー「うるさい!ここはお前らが来るところじゃない!帰れ!」
2人を突き飛ばすジェシー。そしてまた撃ち始める。
突き飛ばされた北斗はマリウスの亡骸を目撃。
深澤が合図を送り、深澤・北斗は撤退。
銃撃戦が終わったあと、マリウスの亡骸のもとまで戻り、再度大事に抱きしめるジェシー。
(マリウス不在時は深澤・北斗撤退後、ずっと撃ち続けていた)
~回想終了~
岩本「そんな……」
京本「死んだ方がマシだ、そんな目をしていたらしい」
京本「お願いだ岩本、力貸してくれ」
岩本「……いつもそうだ。俺がいねぇと何にもできねぇのかよ。仕方ねぇなぁ」
岩本「でもどうやって?」
京本「スタジオに来てくれ、中継する」
第11景 戦場との中継
戦場の阿部・佐久間、スタジオの渡辺が通信。
渡辺「何があっても撮り続けろよ」
佐久間「あぁ」
戦場、上手奥から
北斗「佐久間!阿部!」
と深澤・北斗合流。
北斗「姿勢を低くして」
深澤「どこから銃弾が来るか分からないからな」
4人は影になるところで待機。
慎太郎・宮舘・樹・髙地がスタジオに到着。
「昔のメンバーが集まったな」
「俺らはショーを抜け出してまで来たんだぞ」
「本当に大丈夫か」
「岩本が来ないと意味がないぞ」
「それなら京本が連れてきてくれる」
戦場にジェシーが現れる。
阿部「ジェシーだ!」
ジェシーのもとへ向かう4人。
中継スタート。
阿部「皆さんこんにちは。本日は戦場から生中継でお送りいたします。皆さんはこの戦場で敵味方関係なく歌われている歌があるのを知っていますか?それは俺たちの仲間(ジェシーを掴む)が作ったんです!」
ジェシー「歌なんて俺には関係ない!帰れ!」
爆撃が来る。
ジェシーは遠くへ行き4人は残される。
爆撃が続く中、ジェシーの方へ向かおうとする阿部・佐久間を引き留める深澤・北斗。
「ここは戦場だぞ!」
佐久間「何があっても撮り続けるんだ!」
佐久間はそのまま撮り続け、深澤・北斗はその場で警護にあたる。
その間銃を構えているジェシー。
京本・岩本スタジオに到着。
「岩本!」
京本「回線を繋げてくれ!」
佐久間「大丈夫だ」
京本「ここの声を届けたい!」
佐久間「やってみる!」
回線が繋がったところで岩本が話し始める。
岩本「おいジェシー、何やってるんだ」
ジェシー「岩本……」
岩本「音楽はどうしたんだよ」
ジェシー「そんなもの忘れた」
岩本「忘れてるわけねぇだろ。俺たちのロザリオ、まだ持ってるじゃねぇか!」
服の前を開けてロザリオを取り出すジェシー。
しばらく見つめるも、
ジェシー「こんなもの!」
と殴り捨ててまた銃を撃ちだす。
♪君のこの歌を
を歌い始める岩本。
京本が続き、そして全員での合唱へ。
徐々に正気を取り戻すジェシー。
岩本「逃げ出してでもいいから戻ってこい!」
ジェシー「でも俺は人を殺した。皆に合わせる顔がない」
岩本「そんなの関係ない!」
決心したように歩みを進めるジェシー。
響く銃声。
何発も打ち込まれるジェシー。岩から落ちていく。
「ジェシー!」
ふらふらと歩いてくるジェシー。
走り寄る戦場組。
阿部北斗が支え、佐久間は撮り続ける。
ジェシーしっかりしろ!と訴えかける戦場組。
ジェシー「何もない毎日だけどそれが幸せ。この、ありふれた毎日こそが、幸せなんだ。皆いいな、戦争のない国に生まれて。皆と音楽やりたかった」
ジェシー「これを岩本に」
と北斗にロザリオを託す。
そして力尽きるジェシー。
「ジェシー!」
♪あいつの分も生きる
京本中心にスタジオ組が歌う。
その間深澤が先導してジェシーを運ぶ。
この時も撮り続ける佐久間。
スタジオ組と戦場組が合流。(戦場組の帰国)
佐久間に突っかかる宮舘。
座り込む京本、崩れ落ちる佐久間、しゃくりを上げて泣く髙地など反応はそれぞれ。
徐々に近寄り、曲終わりに岩本にロザリオを渡す北斗。
第12景 エピローグ
岩本「俺が届けてやるよ。世界中に、ジェシーが残してくれたこの歌を届けるために、みんな手伝ってくれないか!」
「あぁ」と同意する10人。
「テレビだけじゃない」
「あらゆるメディアを使って全世界に届けよう!」
佐久間「任せとけ!」
♪君にこの歌を
途中から紗幕奥階段上に現れるジェシー。その姿は10人には感じられる。
マリウスも現れる。ジェシーには感じられる。
曲終わり、捌けていく10人。
ジェシーとマリウスは敬礼を交わす。
岩本と京本は握手を交わす。先に京本が捌ける。
岩本「世界では今も戦争が起きている。戦争のない日なんてない。戦争がないことが当たり前だと思っているのはこの国の人間だけだ。このありふれた毎日こそが幸せなんだ。そうだろ?ジェシー」
後ろを振り向く岩本。
頷くジェシー。
暗転
エンドロール
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髙地優吾
SnowMan
岩本 照
深澤辰哉
渡辺翔太
佐久間大介
特別出演
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